個性の光るグリュエン女性用アンティーク腕時計【1920年頃】

１００年ものの自慢できる腕時計

４０年代の時計デザインをけん引・流行を巻き越したグリュエンですが、その片鱗はすでに２０年代の腕時計にも見ることができます。
この時代の腕時計のデザインが、のちの４０年代の婦人物へと伝わっていったのでしょう。

婦人物の小さな腕時計、その限られたサイズの中に、その時代の技術を余さんばかりに取り入れた美しいデザイン。
現代からご覧いただいても、この時計の面白さには、引き込まれるものが多々あります。

手をかけられたからこその美しさ

ケースのデザインが美しいことはもちろん、時計の表側のガラス回りの装飾、そして側面にも、さらには腕に当たって見えない部分にまで装飾を施す。
見えない部分だから良いのではなくて、そこまでしっかりと手を掛けることができていたのがアンティークの時代です。

文字盤もまた特殊なデザインをしたもので、数字のフォントもアンティークらしい味のあるもので、分表示のインデックスを中央側に。
そして文字盤の周りにも装飾を入れてしまうというこだわりよう。
凹凸のある立体的な装飾であるため、陰影や輝きの美しさがとてもよく出る作りであることも、この時代の腕時計ならではのもの。

この当時の方のために作られたものですが、それぞれの個性は、現代から見るとさらに引き込まれるほどの魅力を感じずにはいられないもの。
１００年ほど経っても色褪せない魅力があるのは、それだけしっかりと作り込まれたアンティークならではでしょう。