博物館級の1点。わかる人のみにお勧めする品
赤いエナメルで覆われた、ロシア帝国時代1900年頃の銀のティーポットの3点セット。
一番大きなものがティーポット、両側に取っ手のあるものが砂糖入れ、小さなものがミルクを入れるポット。
ロシア美術ならではの、トロイカ・3頭立ての馬車が、ロシアの夏と冬を表現するように、雪景色と緑の2つの景色で描かれています。
ロシアの高級ジュエリーといえば、ファベルジェが世界的に知られるところですが、このティーポットを製作したモロゾフもまた、日本ではあまり知られていませんが、ファベルジェに匹敵するほどの著名な工房でした。
この当時のロシア帝国では、認められた工房や会社のみが、「皇帝御用達の印」であるイーグル紋・ホールマークを付けることを許されていました。
皇帝に品を収めることが許された者、そしてそれだけの品質を備えたものとして、与えられたイーグル紋。
その印を持つことが許された10社ほどのうち、ファベルジェもその1つであり、モロゾフもまたその数少ない1つ。
このティーポットが製作されたのは、世に知られるカール・ファベルジェが存命だった時代のもので、モロゾフはそのライバル関係にあった工房。
この時代背景を知るだけでも、モロゾフがどれほどのものであったかお分かりいただけるのではないでしょうか。
品の良さを伝えるのは、皇帝御用達の紋もその1つではありますが、取っ手などの留めに象牙が使われているのも、わかる人のみに見える質の違いと言えるでしょう。
店主のワンポイントと評価
総合評価
日本ではあまり知られていませんが、ファベルジェ同様にロシア皇帝御用達であったモロゾフ。
状態良く現存しているもの自体も少なく、とても希少な1点ものです。
博物館に飾っていただくほどの貴重なもので、価値をご存じの方以外にはお勧めできないものです。
状態
若干エナメル部分に剥がれも見えますが、同様の品を見ている方でしたら、これがどれほど良い状態かお分かりいただけるかと思います。
また銀特有の黒ずみと変色が出ている部分もありますが、撮影時に磨きは行っておりません。
磨き上げていただくと、美しい銀の輝きが戻ります。
希少性
何十年とロシア美術を扱っても出会うことのできない、美術品かつ代々伝えていただく宝物といえる1点です。
贈り物
非常に素晴らしい希少な品ですが、その価値をお分かりいただけてこその1点。
贈り物としてもお勧めできるものですが、お分かりの方のみにお勧めするものです。
備考
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