まるで絵画のような理想的なアンティーク
壁に佇む絵画のように、綺麗な出で立ちと、数値で表すことができない理想的な間・間隔で描かれた花の模様。
この懐中時計を手に取っていただくと、時計の蓋に描かれたエナメル画に、まず目が留まります。
左側に向かう青紫の花、そして中央から上に伸びる小さな青い花と先端の赤い蕾、そして右側にダイヤモンドが配されたピンクの花を開かせるこの構図。
どれも落ち着いた色合いでありながら、それぞれの花を引き立てるように、その花のサイズと色が計算されているかのように、穏やかな雰囲気を見せてくれます。
またそれぞれの位置関係も絶妙で、花が描かれている部分と、なにもない部分、この間隔の空間の美しさも見事といえるものでしょう。
ピンクの花だけに留められたダイヤモンドも、それが1石であるがゆえに、開いた花の美しさにスポットが当たっています。
どことなく和風な雰囲気でもあり、とても好感が持てるデザインです。
そして一番の特徴であるのが、この時計の文字盤。
時計の外側のデザインだけでも、絵画のように美しいものですが、蓋を開くとそこには、また違った美しさが秘められています。
例えるなら、まさに綺麗な宝石箱に収められた、貴重な宝石を開けてみるような感覚。
文字盤に隙間なくびっしりと装飾が施され、どれほどの手間が掛けられたものなのかと感動を覚えていただけるもの。
中央には、青・黄色・桃色の三色の蝶々が舞い、薄い青で表現された空、そしてピンクの草花が茂る。
そして金彩装飾も非常に美しく、その蝶々たちの周りを囲み、さらに各数字の間にも、そして5分刻みの外側の数字の間にも。
ドットに十字に、それぞれに違う形がデザインされています。
ケースの外側の、昔のアンティーク書体で彫られた文字もとても雰囲気があり、アンティークらしさをより際立たせているもの。
こちらの面がシンプルなだけに、エナメルの花模様がより引き立って見えるという点でも、このような作りであることは、この時計にとってはプラス。
金無垢ケース自体もしっかりと厚めのもので、蓋のふちにコインエッジが刻んであるのも、ひと手間かけてある良い作りです。
時計としては、本当に外から見ているだけでも、どこか惹きつけられる魅力のあるもの。
花のエナメル装飾部分は、どこか「和的」な雰囲気を感じられ、日本人の心をくすぐってくれる構図です。
蓋を開いてからの美しさもまた、言うに及ばない魅力です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
全面にびっしりと装飾を施すのも、一つの価値ではありますが、空間を大切にした絵画的な美しさには、言葉で伝えられない魅力があります。
時計の外側を見て楽しむ、そして蓋を開いて楽しむ。
それこそ、隣の人に見せつけるように置いて開いてみたい、そう思っていただけるほど時計です。
飾るにしても、花をメインにすべきなのか、開いた姿を楽しむのか。
贅沢に悩んでいただける1点だと思います。
状態
特記事項はありません。
希少性
外側のエナメル装飾も珍しいものですが、構図良く状態の良いものは珍しいもの。
さらに内側の文字盤に描かれた蝶々や金彩模様もまた、非常に珍しいものです。
贈り物
とにかく綺麗で素晴らしい1点です。
外側の一面は絵画、もう一面はアンティーク、そして蓋を開けると美術工芸品。
状態良しそして素材良し、また作りも良くダイヤモンドまで使われていて、見るだけでその価値を感じていただける傑作です。
備考
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