20年代を踏襲する懐古的な作り
英国の時計ブランドであったベンソン、正式にはJames William Benson。
古くは英国王室御用達であったことからも、そのブランドの格と歴史を感じることのできるブランドです。
1900年頃の新聞や雑誌の広告には、ベンソンの懐中時計やその名がたびたび掲載されるほど、英国ではその名を馳せたブランドでもあります。
そしてこの時計は、そのベンソンがすでに手巻きの腕時計としては、姿かたちともに別次元へと進化を遂げている時代に、昔を懐かしむように懐古的に作られた金時計。
そのスタイルは、まさに腕時計が一般に広まり始めた1920年当時の姿。
クッション型をしたケースに、ベルトを留める箇所は、バネ棒タイプではなく、ワイヤーラグ式というベルトを巻き込んで留めるという非常に古いスタイルを踏襲したもの。
時計の文字盤こそ金属製ではありますが、そのデザインは陶製時代のシンプルなデザインをそのままに、針の形なども昔のものを採用しているというこだわりようです。
デザイン的にはシンプルですが、個性の際立つ時計で「アンティーク」という魅力がたっぷりです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
クッション型という丸みを帯びたスタイルながら、しっかりと角のある面を持っているところが、昭和年代的で味があります。
しっかりと角を立てたスーパーカーのようなデザインが流行った時代もありますが、そんな懐古的なデザインの良さを感じさせてくれる時計です。
年代的には同系の時計と比べて、そこまで古くはないものながら、金属製の文字盤であることからも、ほど良い古さも感じさせてくれます。
時計のサイズとしては女性向けですが、ベルト幅がしっかりとあるタイプですので、腕の細い方であれば、少し小ぶりな男性用としてもお勧めです。
状態
文字盤に少し経年変化は出ていますが、それが程よい味になっています。
希少性
この時代に一世代前の作りを再現したもので、そういう意味合いでは希少なもの。
形だけでいえば、1920年代前後にあるものではあります。
古い形を持つ時計に、時代的に出来上がった機械を持つという、良い組み合わせともいえます。
贈り物
文字盤にもケースの内側にも「ロンドン」の文字があり、ベンソンならではのこだわりどころ。
英国アンティークらしい雰囲気があります。
贈り物としてもお勧めですが、スタイルやデザインが好みの分かれるところです。
備考
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