年代物と呼ぶに相応しい1本
時計の本場であるスイスと国境を隣り合わせる、職人の国であるドイツ。
スイスの公用語がドイツ語とフランス語ということからも、古くから時計作りでも定評のある土地柄です。
現在まで受け継がれる由緒ある名前である「ユンハンス」を冠したアンティーク腕時計。
現在のユンハンスの姿からは、想像ができないほどの個性が光る1点です。
アンティーク時計、その中でも個性の高い1点で、その作りに味があります。
作られた年代も、腕時計が本格的に普及し始める30年代。
長い年月が経っていますので、今では光りませんが、蛍光塗料が使用された文字盤と針は非常に良い雰囲気。
デザイン的にも、この時代ならではの特徴で、この時計の個性を引き立たせています。
またケースのデザインも特別なもので、他の時計とは違った特殊な形。
ベルトを留める箇所も、この時代では一般的なものではありましたが、今では見ることができないワイヤーラグタイプ。
そしてアンティーク感をより楽しんでいただけるのが、この時計に付属している昔のベルト。
革が何十年も経つとこのように変わるという、その最たる例を示しているかのように、年季と雰囲気を蓄えています。
2枚革のベルトを縫い合わせている糸は、長い年月で朽ちて無くなっているところも多いものですが、それもこのベルトの年代を証明するものでもあります。
尾錠の作りと年季の入り方も素晴らしく、時計の姿かたちにとても良く似合っています。
全てを合わせて、とても良く整った姿を持った・組み合わせを持ったセット物という1点です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
ドイツメーカーであるユンハンス、現在でもその時計を見ることができますが、やはり昔の物は素晴らしい個性と風格があります。
ユンハンスのファンの方にも、ぜひお勧めしたいほど、全体的な雰囲気が完成しているものといえるでしょう。
時計の姿やデザインから、カジュアル用途・プライベートでご使用いただく姿を想像していただきやすいものだと思います。
状態
時計本体については、ケースは仕上げ直しが行われているため、とても状態の良いものです。
ケース裏側に少し傷は残っているものの、年代的なことや素材的なことで、残さなければならないものですが、それでも十分すぎるほどに状態が良いと言えます。
革ベルトについては、かなり経年劣化が進んでいますが、それがかえって風格になっています。
縫い糸の朽ちがあり、2枚革が外れているところもありますが、アンティークやミリタリー的なカジュアル感を出すには、それがかえって良いというもの。
新しいベルトに交換することは可能ですが、このままの状態でお使いいただける方にお勧めしたいところです。
希少性
年代の古さと状態を考えると、デザイン的にも非常に珍しいものです。
贈り物
人によっては、バンドの古さが目に付くところかもしれませんが、これはプラスに考えていただく部分。
新しいバンドに付け替えると、綺麗な時計に生まれ変わりはしますが、どちらにしても、デザイン・雰囲気の良い時計で、贈り物として非常にお勧めできる1点です。
備考
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