希少なエルメスのアンティーク、その中でも希少な特別品
時代が進み、海外への移動や、海外との取引が当たり前に変わりつつある頃。
時計の機能の一つとして求められたのが、海外のその国もしくは都市の時間が瞬時にわかる機能。
今でこそ、デジタル時計や携帯電話で瞬時に切り替えることができますが、この当時は、そういった機能すらも、アナログ的に解決していた時代。
デジタル化してしまったものですが、アナログでも十分に対応できていたことが多々あることに、改めて気づかされるものでもあります。
この機能を備える時計の大きな特徴としては、ベゼル部分にたくさんの世界各国の都市の名前が刻印されているところ。
これがワールドタイマーと呼ばれる、各都市の時間を知る機能を持つ時計の特徴。
現在居る都市に該当する名前があれば、ベゼルを回して都市名を短針に合わせ、都市が無い場合は、同じ国内にある都市に短針の先端を合わせます。
そしてその状態で調べたい都市の名前を探せば、その都市の名前がある位置が、現在のその都市の時間を差すという、作りとしては単純なものですが、それをデザイン的にも機能的にも実装させるのは、簡単ではないところです。
例えば、東京が9時を指しているとすれば、ロンドンは24の位置にあり、真夜中の12時ということになります。
このような時計が必要になっていたのは、その当時、他の国の時間を知る必要のあった人達であり、その用途としては、現在のように気軽に海外旅行に行ける時代とは違って、当時としてはまだまだ特別なものであったものです。
それだけに、このような時計を持てたのは、それだけの背景を持った人たちのみで、さらにエルメスの特別品を手にすることができたのは、その中でもさらに一握りの人たちだけということになるわけです。
時計の顔とも呼べる文字盤、そのデザインはまさに40年代の懐かしさのある作り。
シンプルではありますが、それだけに作りという面で、その時代の味がしっかりと出やすいもの。
その当時ならではの、今ではレトロと感じられる雰囲気のある作りが特徴です。
またケースは薄めですが、しっかりと大きく見やすい大きなサイズに仕上げられているのも特徴。
そして普通の時計を内側に、そして外側には24時間表示の枠。
6時から18時の日中をゴールドで、そして夜は黒の2種類の色で表現していることで、時間の読み間違いを無くしているのも、使い手の目線に立った丁寧な作り。
その外側には、各国の主要な都市名が70近く並ぶ、その様は時計のデザインとしても素晴らしく、とても個性の際立った作りになっています。
さらにこの枠の部分ベゼルの外側には、小さなコインエッジが切ってあり、指がしっかりとかかる作りのこだわり。
見た目の豪華さや味のある作りはもとより、「使う」という点でも、こだわりが感じられる良い時計です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
時代的に、数は少ないながら現代に繋がるデザインと、その当時に流行った作りに沿うものが見られる時代。
この時計は前者の、現代に繋がるデザインが見て取れるもので、デザインや作りにとても味があります。
直径5センチと、面としても大きなもので、手のひらに載せてそのサイズを感じていただける存在感あるもの。
エルメスの名を冠したものでもあり、時計の存在自体に価値を感じていただけるものだと思います。
状態
裏蓋のふちの回りに使用感はありますが、全体的に非常に良い状態の1点です。
希少性
元々の数が少ないものでもあり、メーカー・状態面も合わせて希少なものです。
贈り物
ブランドの名前としても、希少性としても価値のあるもの。
ただ単に古い懐中時計を贈るのとは違い、その使い方やデザインに意味と特別さを感じてもらえるものだと思います。
デザイン的にも綺麗なものですので、ついついて眺めてしまうほどの魅力があり、贈り物としてもとてもお勧めできる1点です。
備考
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