こがね色の品のある懐中時計
文字盤も金色、一般的なゴールドと言ってしまうよりも、時計が持つ雰囲気から「こがね色」という表現がよく似合います。
アンティーク時計の中でも、比較的珍しい作りを持った1点。
このようなこがね色の文字盤は、ある短い特定期間に作られたもので、懐中時計の文字盤が陶製・エナメル製から金属製に変わる時代のもの。
それまでの作りから、また違った技法が施されたもので、文字盤の美しさがとてもよく映える作りになっています。
中央の細やかな模様も繊細で細やか。
この文字盤のように、艶のあるこがね色を持つことで、その模様に生まれる輝きと陰影が、さらにその美しさを際立たせます。
文字盤の良さを強調するかのように、ケース自体も文字盤周りの枠を極力なくしたものになっていて、時計の顔がより強調された作りです。
また中央から外側に向かって放射線状に並ぶ、数字のインデックスも味があり、時計上部の懐中時計を吊り下げる輪の部分もとても特徴的な形で、非常に個性に富んでいます。
すでに100年ほどが経っているにも関わらず、文字盤には本当にわずかな経年変化が見えるだけという、状態面でも群を抜いた素晴らしいもの。
数字部分に少し黒が剥げている部分もありますが、写真でご覧いただけるように、本当にごくわずかなもので、100年でこの状態であれば、これ以上の状態のものは無いといってよいくらいのものです。
白色系の文字盤を持つ懐中時計も、アンティーク時計の基本の一つですが、このようなこがね色の文字盤も、そこに独特な輝きと風格を生み出します。
光の当たり具合によって、まったく違った色合いを見せてくれるもので、時計の品の良さを感じていただける1点です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
作りやデザイン的に、個性的でとても雰囲気も良いものです。
このような時計の作りならではですが、明るいところでその輝きや陰影を楽しむのも良し、やや暗いところでの怪しい輝きがまた素晴らしいものです。
サイズ的にも持ち運びのしやすいサイズであり、かつこの時代の同じサイズの時計と比べて、薄型になっているのも大きな特徴のひとつです。
機械の写真をご覧いただくとおわかりいただけますが、ケースのサイズと比べるとかなり小さな機械を採用するという一工夫を加えています。
そのため機械自体が厚ぼったくならず、時計自体を薄く作ることに成功しています。
状態
特記事項はありません。
希少性
他の商品とのバランスを考えたお値段になっていますが、特に文字盤の状態が素晴らしく、この点だけでももう少し値段をつけたい商品ではあります。
作りという面でも珍しいものですが、そのような状態を考えるととても希少なものです。
贈り物
陶製・エナメル製の白色の文字盤を持つアンティーク時計も定番ですが、このような作りの時計も、色合いや個性という点で非常に楽しめる時計です。
状態面としても非常に良いもので、贈り物にとてもお勧めできる1点です。
備考
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