古さの中から伝わる新鮮な感動
歴史あるスイスの時計メーカーであるシーマ。
数々の著名メーカーや、現在にもその名が輝く高級ブランドの時計の機械製造・供給を担っていたこと。
また古くは懐中時計が全盛だった時代、日本でも20世紀初頭にシーマの懐中時計が輸入されていたことで、日本でもアンティークとして名前の知られているメーカーです。
年代的に懐中時計時代の時計の作りを、そのまま引き継いでいるもので、古い時計の作りが楽しんでいただける1点。
陶製の文字盤にブルースチールの針、文字盤の色を少し変え、写真ではお分かりいただきにくいのですがさらに12時を赤でと、こんな小さなサイズで手を掛けているところはさすが。
同時代の同じ作りの懐中時計をご存じの方であれば、この小さなサイズでよくここまで同様の再現ができていると感心していただけるものでしょう。
時代的に「腕時計」という形が確立されていなかった時代のもので、この時代の他の時計を見ると、かのロレックスやオメガでも同様の作りやデザイン。
この時計が高級メーカーと同じく、その時代のスタイルをしっかりと伝えていることがわかります。
デザイン的にもアンティーク感はしっかりと持っていながら、シンプルで使っていただきやすいものです。
ちょっとこだわりの時計を持ってみたい、現行品の新しい時計とはまったく違った時計を持ってみたいという方には、とても親しみやすく、シンプルなデザインだけに長くご愛用いただける時計だといえるでしょう。
店主のワンポイントと評価
総合評価
手元を上品に彩ってくれる時計というと、現行品の新しい時計ではちょっと物足りないことも多いものです。
この時計の良さは、上品で手元にぴったりとくるようなちょうど良いサイズと、文字盤や針の上品な色合い・アンティーク感が魅力です。
時計を見れば普通の時計でないことは一目瞭然。
時計の出自は、現在はユニリーバに吸収されていますが、英国企業の「The United Africa」のために作られたもの。
ユニリーバの現在のホームページにも、1973年に吸収されたことが記載されています。(詳しくはこちら)
企業名が文字盤に入っていますが、その当時は刻印や名前を時計に入れるためには、ケースに彫る・刻印することが最も低コストで一般的なものですが、文字盤にその名を入れてしまうということは、それ自体が特殊で文字盤自体を特別に作らなければいけないもの。
時計自体が高級な時代にあって、ただ単に店頭で売られていただけの商品ではないということがわかります。
状態
拡大した写真を掲載していますが、文字盤の4時と5時の間に、軽いヘアラインが入っています。
希少性
この時代の金時計の作りを踏襲していますので、形としては無いものではありませんが、陶製の文字盤にブルースチールの針。
状態的にも良く、残る数自体が少ないものです。
贈り物
一目見ればアンティークだとお分かりいただける、雰囲気の良さを持ち、かつシンプルな姿で使っていただきやすいものでもあります。
ベルトがワイヤーラグという作りになりますので、その点で市販のベルトの選択肢は少なくなりますので、ベルトはあまりこだわらない方、もしくはベルト自体をオーダーメイドしていただけるような方への贈り物にお勧めいたします。
備考
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