熟成という名の美しさを冠するロレックス
時代と年季をたっぷり感じさせてくれる、時計でいうところの熟成品。
年月と職人の業が培うウイスキーなどの、個性を感じるしっかりとボディのある味わいに似ています。
金色の独特の色合いと風合いを見せる文字盤、そしてそこに用いられたインデックスの塗料の色の変わり方には、その時代の浪漫と流れた年月を感じずにはいられません。
これこそがアンティークでいう「味」であり、年季を感じさせるという風格。
また時計のケースも、アンティークらしさを感じさせる模様が施されていて、樽型という特別な形になっている特別な作りです。
今のロレックスや少し年代の新しいチューダーをご存じの方には、この時計の作りがまったく違って新鮮に映るはず。
それはこの時計が、チューダー(チュードル)の腕時計としても初期の1940年頃のものだからでしょう。
時計の作りやデザインに、時代背景やその当時の主流だった形や作りがしっかりと見えてくるものです。
「腕時計」という形が一気に進歩した時代のことで、様々な試行錯誤が行われた時代ならではで、この時計のように蛍光塗料が塗られた針もこの時代に流行ったもの。
文字盤や塗料の色の変わり方には時代の浪漫と流れた年月を感じずにはいられません。
さらにこの時計の面白い点は、これらのその時代ならではの特徴をたっぷりと備えていながら、さらに文字盤にチューダーとロレックス(ROLEX WATCH Co. LTD)のダブルネームになっている点。
のちにチュードルというブランドも人気を博しブランドとして確立されますが、この時代のチュードルにはロレックスの名前が入っているものもありました。
ロレックスの名前を貶めないだけの価値が、この時代のチューダーにあったといっても過言ではないでしょう。
ロレックスファンだけでなく、チュードルファンも楽しめる1品。
ロレックスの歴史的な背景や、この時代の時計の歴史をも感じられる味わいのある1点です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
時計のデザインや作りからも、どなたにでもお勧めできるものではありません。
ですがそれだけに個性が際立ったもので、時計だけで会話が弾むような、そこに個性と価値を感じていただけるものでもあります。
この時代の時計で非常に特徴のある1点で、着けていれば「アンティークですか?」と訪ねられることは間違いないでしょう。
昔のロレックスですよ「ここにほら名前があるでしょ?」と話し込んでいただけるのは、この時計を持つ1つの楽しみでもあるでしょう。
カジュアルにもそしてお仕事用としても、うまく合わせていただいて、この時計の特徴を最大限に引き出してあげてほしい。
そう感じられる作りの面白さや、長い年月に培われた風格が備わっているものです。
状態
文字盤に軽く経年による変色などが出ていますが、この時代でこの素材であれば非常に状態の良いものだと言えます。
5時付近に擦れた跡がありますが、この点を差し引いても非常に状態が良いと言えるものです。
ケースに関しては、時計を身に着けるという点でよりお使いいただきやすいように、仕上げ直しをしてあるため非常に綺麗な状態です。
希少性
いろいろな意味で、さまざまな希少性が交差したもので、時計自体として非常に珍しいものです。
状態的には、長い年月による変化、年季が良いほうに作用した素晴らしさを持ち、ケースの特別さ、そして文字盤の作りの面白さ、そこに30年後半・40年頃にかけての独特な作りが加わっているため、同じ時計の作り自体を探すことが難しいものです。
贈り物
状態的にもデザイン的に申し分なく、アンティーク感や風格がたっぷりで贈り物としてもお勧めしたい1点です。
ただその特別すぎる個性と特徴があるため、贈る相手を確実に選ぶもので、その方の好みを良くご存じでなければお勧めできません。
とても味わいがある作りで、この時計をめいっぱい楽しんでいただくなら、ご自身へのプレゼントとして、思う存分、イメージを思い描いて使っていただきたいと思う時計です。
備考
–