懐中時計チェーンの身に着け方と実例
昔の物なので使い方がわからないのは当然。昔の写真を交えてお教えいたします。
懐中時計チェーンの着け方ご存じですか?
懐中時計を身に着ける時に使う、懐中時計のチェーン。
でも、その着け方となると、実際のところよくわからないのが実情です。
このページでは、懐中時計を着こなしている昔の写真を実例に、身に着け方がわかるたくさんの写真を掲載して、使い方・着け方をご案内しています。
着ける場所と見せ方の例
懐中時計・チェーンを着けることがステータスだった時代は、当然のように見せて楽しむことも富める者の証・おしゃれの1つでした。
現在では腕時計が主流になっていますので、さすがに「これみよがし」に懐中時計を見せるのも、あまりおしゃれではありません。
上手に・おしゃれに見せることが、現代のステータスになります。
昔からの定番の場所は、おそらく皆様もご存知の通りスーツの上着や、ジャケットの内ポケット。
男性の方の場合は、スーツ・ジャケット・ベストにポケットが2箇所。
「胸」の部分と「腰」近い部分にあります。
ただ昔の写真からもご覧いただける通り、定番の使い方はあったものの、いろいろな箇所に付けられてきたもの。
自分に似合う場所や、生活スタイルに合う場所に着けていただくのが良いでしょう。
ベストに着ける定番位置
一本もののチェーンであれば、この位置に着けていただくのが定番です。
定番の両側に伸びるチェーン
左右に伸びるチェーンをベスト前に留めるタイプで、写真は定番中の定番の着け方です。
みぞおち付近から腰ポケットに
やや長めのチェーンを少し高めの位置から、定番の腰のポケットに。
高い位置から胸ポケットに
あまり定番ではありませんが、少し長めのチェーンなら、首元付近から胸ポケットに入れる形もあります。
コートの胸ポケットに
ポケットに懐中時計を入れ、そのポケットとほぼ平行にある位置のボタン・ボタンホールにチェーンを留めます。
ズボンのポケットに
定番の着け方ではありませんが、このような形で着けることもできます。
昔の写真にみるチェーンの身に着け方の実例
チェーンを着けている人々の写真を、昔の写真の中からご紹介します。
懐中時計の全盛期と言われる1900年前後の写真には、懐中時計のチェーンもたくさん写りこんでいます。
当時の家柄の良い結婚式の新郎の写真には、ほとんどといってよいほど、ベスト前にチェーンが留められています。
この当時、懐中時計やチェーンが、男性の正装の1つであったことがわかります。
このページでご紹介させていただく写真をご覧いただければ、よくお分かりいただけるように、定番の着け方はあるものの、正しい着け方というのがあるようで無いものです。
当時の人たちも、自分の好みに合わせて、好きなチェーンをうまく組み合わせて楽しんでいたのです。
現代と100年前では、習慣も違えば服装自体も違います。
昔のスタイルを参考にしつつ、ご自身の好みに合わせて楽しんでください。
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アルバートチェーンの解説・金具の留め方はこちらのページ
チェーン・金具の違いはこちらチェーンを着ける目的と歴史
懐中時計用を持ち運ぶのに、チェーンを着けるようになったのは、懐中時計を落としてしまわないためというのが一番の理由です。
懐中時計が生まれた時代、そして時計として懐中時計が選ばれていた時代には、懐中時計は「超」がつくほどの高級品。
時計はまさに、権力や財力を持った人たちだけの宝飾品・贅沢品。
時計にも貴金属のように豪華な装飾が施されたり、純金や宝石をちりばめたり、まさに富の象徴とでもいえるように、オーダーメイドが行われていた時代でした。
現代の精密機器は落としても壊れないようにできているものが多いものですが、この時代の時計と言えば、落とせば重要な軸が折れて壊れてしまうという、非常に繊細な精密機器でもあったのです。
丁寧に扱っていれば、落とすことはそうあることではありませんが、急いでいると携帯電話や鍵を落としてしまうように、大切なものでも落としてしまうことがあるものです。
このような高級品であり、かつ精密機器である時計を落としてしまわないために、チェーンと服を繋いでおくことで、万が一の場合に備えたのが懐中時計のチェーンの始まりです。
また、ぜんまいを付属の鍵で巻き上げる、鍵巻き式の懐中時計が主流だった時代には、鍵巻きを無くしてしまわないようにチェーンに鍵を取り付けておくというのも、チェーンの1つの目的でした。
時計を持つことがステータスという時代であったため、「時計を持っていることを示す」ために、チェーンは見せる位置に着けられるものとなり、デザインの優れたもの・素材にこだわったもの等、時計だけではなく、チェーンにもさまざまな趣向が凝らされていくようになります。
チェーン自体の装飾性を高めたもの、勲章のようなものやベルトやボタンに着けるものなど、さまざまな形のものが生み出されていくことになります。
基本的な考え方
懐中時計用のチェーンが生み出されたのが19世紀。
ヨーロッパではナポレオン、日本では明治維新などが行われた時代です。
こういった時代に、人々がどのような服装をしていたでしょうか?
現在とはかなり違う服装だったことはもちろん、懐中時計の価値観や使われ方自体にも大きな違いがありました。
1900年頃の古い写真を見ると、懐中時計を持っていることがわかるように、大切な記念写真の中でも「チェーンがしっかりと見える」ように着けられています。
現在では写真は誰でも気軽に撮ることができるものですが、その昔はしっかりと着飾って、その1枚を撮るためだけに写真屋に行っていたような時代です。
時代背景的に懐中時計が高価な時代であり、持っていることがステータスでもあったためです。
しかしながら、勲章でも着けているかのように、しっかりと見せて着るというのは、現在ではどなたにでも合う着け方というわけではありません。
このページまた他のページでも、現在でも同じように着けていただける参考に、昔の着け方の実例をご紹介してます。
昔の写真を見ても、いろいろな着け方がされているように、特に決まったルールがあるわけではありません。
用途や服装に合わせて、お客様ご自身の着こなし方を楽しんでください。
チェーンに関するミニ知識
ジーンズの前ポケットの中に、さらに小さなポケットがあるのをご存知ですか?
指が3本ほど入る程度の小さなポケットの中のポケットですが、これが実は懐中時計用のポケットの名残りです。
昔はここに懐中時計を入れるようにとデザインされていましたが、懐中時計を使わなくなった今でも、その当時のデザインが現在のジーンズにも残っているということです。
ジーンズを履かれるときは、ベルト付近にチェーンを引っ掛けて、ぜひこのポケットを活用してみてください。
現代でも鍵を入れたり、何かと重宝するこの小さなポケット。
今でもジーンズのデザインから無くなっていないのが、現代でも使われている証。
懐中時計を使っていた時代には、どれだけ便利なものであったのかは想像に難くありません。
海外の女性の利用例
日本では、懐中時計のチェーン自体があまり一般的ではありませんが、海外・西欧ではチェーンが家族に伝わる貴金属・ジュエリーであることは珍しいことではありません。
懐中時計のチェーンが、「懐中時計を留める」ためだけの用途として使われていたかと言えばそうではなく、ごく普通のジュエリーとして女性の方にも身に着けられています。
若い方がこのように身に着けられていることはありませんが、この写真のような形でネックレスとして、またブレスレットとして利用されていることも一般的です。
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